【トリリンガルが検証】英語学習に必要な期間と盲点

英語が話せるようになった人って、実際どれぐらい勉強したの?3000時間は最低必要とどこかで読んだけど、本当にそんなにやらないとダメ?

といった疑問をもったことがある方のために書きます。

僕は、英語ネイティブのバイリンガルですが、今タイ語もほぼ習得しつつあります。なので、大人になってからも言語を習得していて、課題の乗り越え方が見えてきましたので、英語を伸ばしたい方の役に立てればと思います。



日常会話ができるまでに必要な総学習時間

日本人が日常生活で不自由なく英語を話せるようになるまで、最低3000時間はかかるという数字をよくみます。結論からいうと、最低3000時間というのは間違いで、900時間ほどをきちんと一定の期間内にやれば、日常会話レベルにはなれます

僕はタイ語を1年間、授業と自習で900時間ほど勉強しましたが、すでに日常生活であれば不自由なく話せるレベルになっています。難易度は言語によって異なりますが、タイ語はむしろ英語より難しいと言われていますので、なおさらこの3000時間には違和感を覚えます。3000時間って、土日も祝日もふくめて毎日3時間やって、3年近くかかるんですよ? そんなにかかる訳ないでしょって思います。

しかも、世界で一番難しい言語と言われる日本語を、欧米人が学ぶのに2200時間ぐらい必要と言われています。その逆の世界で一番簡単なほうの英語を、日本人が学ぶのに3000時間もかかるなんて、なんかおかしくないですか? 気になったので調べたところ、この3000時間というデータは、なんと戦前のものなんです。なんでこんな数字がネットで一人歩きしてるのか謎ですが、ネットの情報ってほんと鵜呑みにしちゃダメだなと思いました。

なので、日常生活程度であれば、3000時間も絶対にかかりません。これは断言できます。普通にやれば900時間。どんなに効率が悪くても、1500時間は超えないはずです。

総年数が学習効率に与える影響

でも、この総学習時間を大きく変動させる本質的な要素が、一つだけあります。それは 「どのくらいの期間でやり切るか」です。

脳も筋肉も、鍛え方に大きな違いはありません。 筋トレも言語も、一定の負荷を、一定の期間内にかける必要があります。これを続けると、人間の身体や脳は、

「むむっ!これはどうやら生きていく上で必要だな?よし、じゃあ補完して強くしよう」

ってなるんです。

それが、筋トレであれば筋肉の超回復であり、脳内回路であればシナプスのつながりやその強化です。

一定の負荷とは、一回どれぐらいの時間を週何回やるか、です。
一定の期間とは、学習を始めてから目標達成までにかける総年数、です。

習得にかける年数別に、回数の頻度、一回あたりの時間を表にしてみました。

日常会話までに必要な総学習年数(単純計算)

総年数 総時間数 回/週 時間/回 分/回
1 900 6 2.9 173
2 900 5 1.7 104
3 900 4 1.4 87
4 900 3 1.4 87
5 900 3 1.2 69
6 900 3 1.0 58
7 900 3 0.8 49
8 900 3 0.7 43
9 900 3 0.6 38
10 900 3 0.6 35
20 900 3 0.3 17
30 900 2 0.3 17

分かりやすくするために、20年とか30年という極端な例も入れました。毎週2-3回、一回17分とかを何十年も続けても、英語が身につくはずがないと、いうのは直感的に分かりますよね。

一回1時間、毎週3回、というのを6年続ける、のはどうでしょうか?(表の赤い字

これが今の義務教育の計画です。ぱっと見、それほど問題ないように見えるでしょうか。

一回1時間半、毎週4回、というのを3年続ける、のはどうでしょうか?(表の青い字

どちらも同じ900時間ですが、6年間ダラダラとやるより、3年間集中してやったほうが効果がありそう、というのも直感的に思いませんか?

この直感は、正しいはずです。

その根拠ですが、人間は使う頻度が少なかったり、負荷が小さいことに対して、向上しないという性質があります。これは筋力も能力も同じです。そして覚えたことは、時間の経過とともに忘れます。トータルで同じ900時間をかけた場合でも、短期型と、長期型では、後者のほうが忘れる度合いは大きくなります。

この忘れる度合いを見える化するために「年数をかければかけるほど忘れていく係数」といのを勝手につくりました。理屈っぽくすみませんw この「忘れる係数」を使って、総時間数がどれぐらい減っていくか検証したのが次の表です。

日常会話がゴール(忘れる係数で割引後)

総年数 記憶に残った有益な総時間数 回/週 時間/回 分/回 学習効率
1 900 6 2.9 173 高い
2 810 5 1.6 93 やや高い
3 729 4 1.2 70 普通
4 656 3 1.1 63 やや悪い
5 590 3 0.8 45 悪い
6 531 3 0.6 34 非常に悪い
7 478 3 0.4 26 非常に悪い
8 430 3 0.3 21 非常に悪い
9 387 3 0.3 17 非常に悪い
10 349 3 0.2 13 非常に悪い

どれぐらい忘れるかは個人差がありますし、ここで正確性を求めても意味がないので、1年も経てば1割ぐらいは忘れるだろうという仮説で、合計時間を10%の乗数で毎年単純に割り引いています。(例:900 x 0.9 = 810, 900 x 0.9の2乗 = 729, …)そうすると、「記憶に残った有益な総時間数」が割り出せます。

すると6年も年数をかけると、900時間も使ったのに、有益な時間は半分ちょっとの531時間しかないことになります(表の赤い字)。これを週3回で割ると、一回30分ちょっとしか勉強していないのと同じです。

あらっぽい計算ですし、この係数が10%でいいのかは、議論の余地があります。でも、 少なくとも同じ900時間をかけるのであれば、かける総年数は長いよりも短いほうが良いということは、これでイメージできます。

なので、英語を本気で上達させたい人は、できるだけ総年数を短くすると良いでしょう。そういった観点からも、1年の短期留学とかは最高です。 留学できない人は、できるだけ総年数を短くして、できれば2年以内、どんなに長くても3年以内の習得を目指すべきです



目的別の学習スケジュール

ここまで日常会話目的の場合を書きましたが、ビジネス目的と趣味目的についても、総年数と総時間数を計算しました。

ビジネス英語が目的(忘れる係数で割引後)

総年数 記憶に残った有益な総時間数 回/週 時間/回 分/回 学習効率
1 1800 6 5.8 346 留学レベル
2 1620 5 3.1 187 留学レベル
3 1458 4 2.3 140 高い
4 1312 3 2.1 126 やや高い
5 1181 3 1.5 91 普通
6 1063 3 1.1 68 やや悪い
7 957 3 0.9 53 悪い
8 861 3 0.7 41 非常に悪い
9 775 3 0.6 33 非常に悪い
10 697 3 0.4 27 非常に悪い

ビジネス目的の場合、1800時間ぐらいかかると思いますので、さすがにゼロに近いレベルから始めて1−2年達成するには、思いきって留学でもしない限りは難しいですね。でも3年ぐらいであれば頑張ればできそうですので、 僕でしたらやはり3年以内か、長くても4年以内(それぞれ表の青い字)での習得を目指します

旅行や趣味が目的(忘れる係数で割引後)

総年数 記憶に残った有益な総時間数 回/週 時間/回 分/回 学習効率
1 300 6 1.0 58 高い
2 270 3 0.9 52 やや高い
3 243 2 0.8 47 普通
4 219 2 0.5 32 やや悪い
5 197 2 0.4 23 悪い
6 177 1 0.6 34 非常に悪い
7 159 1 0.4 26 非常に悪い
8 143 1 0.3 21 非常に悪い
9 129 1 0.3 17 非常に悪い
10 116 1 0.2 13 非常に悪い

旅行や趣味が目的であれば、300時間もあれば十分ですので、週数回、1回1時間弱の学習(表の青い字)で達成できると思います。逆に日常会話やビジネスレベルを目指す方は、この程度では身につかないと思っておいたほうがいい、とも言えます。

まとめ

あたり前ですが、目的がなにであれ、できるだけ短期間で英語を習得するスケジュールを組んだほうが、学習効果は高いです。

筋トレでも、週になんどか腕立て伏せをやっているだけでは、健康維持はできても、強い肉体は作れません。言語の習得も同じで、週1ー2回英会話に通っているだけでは、いつまでたっても自由に英語が話せるようにはならないのです。

ぜひみなさんの目的にあわせてこの表を確認して、登る山が高く見えれば、どうすればその山を登るモチベーションを作くれるか、そして時間のやりくりができるか、考えるきっかけにしてもらえれば嬉しいです。

あと、モチベーションを上げるネタが足りない方は、ぜひこちらも参考にしてみてください。

【元Google社員が解説】英語を学ぶ3つのメリット

2018年11月20日

ここまで読んでくれて、ありがとうございます。
YOLO. You only live once!



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です