【元講師が解説】プレゼンの準備と話し方のコツ

プレゼンまで残りわずかだけど、どうやって練習しよう? プレゼンで話すときに気をつけるべきことってなんだろう?

こういった状態の方に向けて書きます。

この記事が信用に値するかですが、僕は英語ネイティブの元Google社員で、広告の営業をするかたわら、社員向けのプレゼン研修の講師もしていましたので、プレゼンはそれなりに経験があります。またビジネススクールで教えていた時期もありますので、論理的なコミュニケーションの構成などについても、良く理解しているほうだと思います。

今回は、話し方編ということで、プレゼンの「デリバリー」について解説しますが、スライド作成編も書いていますので、まだな方は、まずこちらを読んでみてください。

【元プレゼン講師直伝】プレゼンの準備方法・スライド作成編

2019年1月23日

それではさっそく見ていきましょう!



メラビアンの法則「話し方」が超絶大事

いきなり「法則」と読んで、アレルギー反応された方がいたらごめんなさい。全く難しくないので、ご心配なく。

もう40年以上も前の研究なのですが、UCLAの教授が「言葉の選択」「話すトーン」「表情などを含むボディーランゲージ」のうち、 ポジティブ・ニュートラル・ネガティブという感情を伝えるうえで、どれがどのぐらい貢献しているか、被験者に言葉のトーンを変えたり、写真をみせたりして、検証しました。

その結果が、こちらです。

要は、プレゼンを聞いたとき、 参加者はどの情報を元に、このプレゼンは「好印象」「まあまあ」「悪印象」と判断するか、その貢献度の割合を表しているのが、このパイチャートです。

言い換えると、どんなに素晴らしいコンテンツを詰め込んでも、表情などのボディーランゲージと、話すトーンに一貫性がなければ、まあまあとか悪印象に簡単になり得るということです。

よって、パイチャートから言えることは、プレゼンで好印象を残したければ、スライド作成はほんの一部でしかないので、話し方や立ちふるまいを練習したほうが、好印象を与えられる可能性はグンとアップする、ということです。

ただ、「言葉の選択がたった7%だから、内容は重要ではない」ということではありません。あくまで感情への貢献度ですので、話す内容が本質的に役に立つかどうかも重要です。ただ、感情への貢献度が、低いというだけです。

詳しく知りたい方は、この記事を読んでみてください。

 

コンテンツが0点で、ボディーランゲージと話すトーンが満点だとどうなるか

ここで、5分ほどの面白いYoutube動画を見ていただきたいのですが、これはあの有名なTED Talk という、その道のエキスパートがプレゼンを行うプラットフォームですが、Will Stephenというコメディアンがプレゼンをします。

彼は5分間も、全くコンテンツのないプレゼンをするのですが、コメディアンゆえに、ボディーランゲージや話すトーンを巧みにコントロールして、デタラメをしゃべっているのに、5分があっという間に過ぎるぐらい面白いプレゼンに仕上げています。

このプレゼンで得られた情報は皆無なのに、彼に好印象をもった方は多いのではないでしょうか?プレゼンの最後の大きな歓声と拍手も、それを物語っていると思います。

コンテンツは完璧なまでにゼロでしたが、この動画はプレゼンで好印象を与えるうえで大事なことを、実は教えてくれています。それは、 ボディーランゲージと話すトーンを巧みに使いこなせば、オーディエンスに好印象を残せるということです。

このコメディアンは、メラビアン教授が研究で明らかにしたことを、実践してみせました。コメディアンですので、ただ単におもしろいからやったのかも知れませんが、いずれにしろ我々にとってはこれが一番の学びのポイントです。

ではどうやって、ボディーランゲージや話すトーンを上手く使えるようになれるか、コツをお伝えします。

 

ボディーランゲージとは

まず、Body Languageって何か?ですが、これは 顔の表情を含めた、身体全体から発する印象のことです。

例えば、プレゼン練習のフィードバックなどで良く言われるボディーランゲージの悪い例はこんな感じです。

  • 緊張のせいで、表情が硬い。もっと笑顔を入れよう。
  • 腕を前で組むと、閉じた印象を与えて、頑固で神経質に見える。手は自然にしよう。
  • 猫背で動きもないので、自信がなさそうに見える。背筋を張って、左右に歩こう。
  • 前列の人としか目を合わせないので、他の人は疎外感を感じる。後列の人も見よう。
  • 満遍なく見渡すのは良いが、見渡しすぎて落ち着きがないように見える。一人と目をあわせたら、何秒か意識的にその人に向けて話そう。
  • 質問をされている時に、ずっと指をいじっているので不安そうに見える。指はぎゅっと握って、いじるのはやめよう。
  • 話す時ずっとスクリーンを見ているので、顔が見えず頭の後ろしか見えない。話す内容は覚えてしまい、スクリーンではなくオーディエンスを見よう。
  • 顎をずっと擦っているので、不安を隠そうとしているように見える。顔は触らないようにしよう。

といった感じです。イメージわいたでしょうか。

 

ボディランゲージで失敗した歴史的なプレゼン

ここでボディーランゲージの良い例と悪い例として、1960年に行われたJohn F. Kennedy州知事とNixon副大統領による史上初の大統領討論会を見てみましょう。

古い動画ですが、この時代はまだテレビがなく、ラジオが主流でした。テレビが普及し始め、初めてテレビによる討論会が実現した年です。よって、それまでは、言葉の選択や、話すトーンだけで国民に訴えていればよかったのですが、 テレビという新しい媒体に変わったことで、ボディーランゲージの重要性が問われた初めての大統領討論会と言えます。

最初の1分間は、司会による紹介ですが、この時点どういった印象を受けましたか?

Nixon副大統領は、椅子の肘掛けを握りしめて、緊張しているような、自信が少しなさそうな印象を受けます。一方、Kennedy州知事は、落ち着いてどんと構えており、大統領に相応しい姿をすでにしています。

この際、話の内容は聞かないでいいと思いますが、Kennedy氏は終始落ち着いていて、自信に満ちていることが、話し方・座り方・歩き方のボディーランゲージから伝わってきます。

この大統領選挙は、もちろんKennedy氏が勝利しましたので、ボディーランゲージが如何に大切か分かると思います。もちろん、この討論会だけが要因ではなかったかも知れませんが、良い印象を与えられなかったNixon氏の失敗から学べるはずです。

 

ボディーランゲージを改善する方法

ボディーランゲージは自分がどう見えているか、自己認識することがカギですので、ビジネススクールなどで練習とフィードバックを繰り返すのが一番効率的ですが、そうもいかない方も多いと思いますので、もう少し手軽に改善できるコツをお教えします。

プレゼンをする部屋の配置まで想定して、実際の動きを練習する

プレゼンの練習は、 本番に近ければ近いほど、効果が上がります。本番で立ってやる場合は、練習でももちろん立ってやります。あたかも後ろにスクリーンがあり、前にオーディエンスが座っているかのように練習します。できるだけ想像力を膨らませて、本番になった気で練習することがポイントです。そうすることで、実際に本番になった時に、練習と同じ動きができるようになります。

スマホで録画して、自分の表情や動きを確認する

誰も自分のプレゼン姿など見たくないと思いますが、こういったことが地道にできると、 自分の癖が発見できて、速く改善できます。スマホのおかげこういったことが本当に手軽にできるようになったので、ぜひテクノロジーを最大限に駆使して、プレゼンも改善しましょう。録画すると時間も図れるので、どこが長すぎるか、どこが削れか、といった判断にも使えます。

同僚や友人に見てもらって、フィードバックをもらう

これができると一番いいのですが、他の人の時間を使うのでハードルが少しあがると思います。やはり 自分では気づかない癖や、他人が受ける印象というのは貴重なので、そういった方がいればぜひ頼んでみましょう。直接会うのが難しければ、動画をSNSで送って見てもらうのもありではないでしょうか。



話すトーンを極めた偉人たち

話すトーンは、演技力がポイントになります。これも言葉では上手く説明し難いのですが、トーンのコントロールが長けているスピーカーをリストアップしましたので、参考までに見てみてください。

Barack Obama

(該当箇所は、18:00から19:00)

オバマ大統領はスピーチで非常に長けていることで有名ですが、彼のスピーチのうまさは話すトーンから来ています。この動画は、ボストン・マラソンでのテロの直後に市民向けに行ったスピーチですが、トーンを意図的に徐々に上げて、ボストン市民を勇気づけています。これによって、参加者が立ち上がって拍手していることからも分かるように、テロに屈しないという強い意志が参加者に伝わっているのが分かります。

Steve Jobs

(該当箇所は、3:30から4:00)

これはThink Differentというアップリのあの有名なCMがリリースされる前に、創業者のSteve Jobsが発表したものです。「本気で世界を変えられると信じる者が、実際に世界を変えている」という有名なフレーズについて説明するとき、オーディエンスにしっかり刺さるように、意図的にゆっくりと落ち着いたトーンで話しているが分かります。

孫正義

(該当箇所は、0:16から4:00)

日本人でプレゼンが上手い人を僕はあまり知らないのですが、孫さんだけは極めていると思います。落ち着いたトーンで、しかも沈黙の使い方が非常にうまいです。1:40から夢の具体例を話すときに、トーンも意図的にアップしているのが分かるでしょうか。そして、3:50から人生の短さを口説くときに、トーンがまた一段階上がっているのが分かります。こうやってトーンを自在に操ることで、序盤とクライマックスが生まれて、参加者が引き込まれていきます。

 

話すトーンを改善する方法

話すトーンはほぼ演技力ですので、演技が苦手な方は、この際役者になったと思って、羞恥心を全て捨て去って、思い切っていろいろなりきってみるといいと思います。とはいえ、演技が苦手な方はかなり多そうなので、コツをいくつかご紹介します。

好きなプレゼンテーターを選んで真似する

ちなみに、僕は演技は大の苦手ですが、プレゼンはできます。ただ、僕はモノマネが得意なので、モノマネだと思えば良いのかも知れませんw やりたくもない役は難しいのですが、尊敬する人や面白い人のマネができる人は多いのではないでしょうか。そういった方は、 好きなプレゼンテーターをYoutubeなどで見つけて、トーンなどを真似してみるといいと思います。練習しているうちに、自分のスタイルができあがってくるはずです。

目的によってトーンを変える練習をする

プレゼンはストーリーラインが命であることは、前篇ですでに書きましたが、この ストーリーラインの大枠毎にトーンを微妙に変えるということを意識すると、トーンを決めやすいと思います。例えば、冒頭で【危機感を煽る】のであれば、シリアスで真剣なトーンで始めて、解決策となる【事業の紹介】の部分で、希望に満ちたちょっと興奮気味なトーンに上げて、といったイメージです。

スマホで録音して、トーンの印象を確認する

ボディーランゲージでの練習と同じで、これも 実際に自分でレビューするのがいいと思います。自分の声なんて聞きたくないって人も多いと思いますが、簡単に自分を客観的に見れますので、一度試してみてください。録音しなくても、リアルタイムで聞いて分かるという方であれば、録音しなくてもいいとも思いますが。この辺りはお好みで。

実際のプレゼンで反応を見て、その学びを次回に活かす

これは本番の後にできることですが、 参加者や同僚にフィードバックをもらうといいと思います。全体を通してどう感じたか、トーンは意図的にこんな感じで意識してみたけど、印象はどうだったか、と積極的にフィードバックを求めれば、みな快くフィードバックしてくれるのではないでしょうか。

 

練習がほぼ全て

プレゼンのデリバリーで一番効果的なのは、センスでもキャラでもなく、ずばり練習です。これは本当に間違いないので、効果的なプレゼンをしたい方は、練習をしましょう。

「最低3回、出来れば5回」

最低でも3回は通しで練習しましょう。おすすめは5回です。やってみると分かると思いますが、 初回が一番ひどくて、2回目に大幅に改善して、3回目に色々なアイディアがわいてきて、話す内容がどんどん良くなります。5回目には、ちょうどいい感じに覚えられて、完成度も高まります。

ただ、人間はロボットではないので、やりすぎると逆効果で、10回とかやると飽きてしまいますw そして飽きると、当日気持ちが入らなくなりますので、やはりおすすめは5回です。

 

直前に成功確率を上げる方法

直前に使えるコツも、おまけでご紹介しておきます。

よく寝る

よく寝ないと、頭の回転率が落ちて、自律神経がおかしくなって、プレゼンのパフォーマンスが確実に落ちます。本当に大事なプレゼンがある場合は、僕は数日前から早く寝るようにして、エネルギーを溜め込んでいました。僕は昔、重要なプレゼンで頭が真っ白になって大失敗したことがありましたが、その時もやはり寝不足で、自律神経もおかしくなって、思考が完全に停止してしまいました!思い出したくもないですw でも、こういった失敗があったからこそ、その後自己マネジメント力が、大幅にアップしました。

直前にストレッチする

これも結構効くのですが、直前に廊下やトイレなどで 全身のストレッチをすると、血の巡りがぐっと上がり身体も暖まって、臨戦態勢に入れます。びっくりするぐらいパフォーマンスが変わりますので、ぜひ騙されたと思ってやってみてください。特に、足の大きな筋肉(太ももとかふくらはぎ)を伸ばすと、頭への血の巡りが上がります。

直前に糖分を入れる

僕は、重要で長めのプレゼンがある場合は、直前にバナナを食べています。 エネルギー補給しておくと、Q&Aでもバテずに、集中力が保てます。ジュースでも何でもいいと思いますので、何らかのカロリーを摂取できるといいと思います。

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ここまで読んでくれて、ありがとうございます。
YOLO. You only live once!



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